めまい・耳鳴り（メニエール病）

めまい・耳鳴り（メニエール病）とは

メニエール病は、内耳にある「内リンパ液」のバランスが乱れることで、耳の不調やめまいが起こるとされる病気のひとつです。
特徴的な症状としては、以下のようなものが知られています。
* 突然始まる回転性のめまい
* 片耳で起こる耳鳴りや詰まり感
* 聞こえにくさ（感音性難聴）
これらの症状が繰り返し現れることが多く、発作中は数十分から数時間にわたってめまいが続くこともあるとされています。
30〜50代の方に比較的多く見られ、女性の方にやや多い傾向があるという報告もあります。
【参考：日本めまい平衡医学会】

メニエール病の背景と考えられている要因

メニエール病の発症には、「内リンパ水腫」と呼ばれる内耳内のリンパ液の過剰が関わっていると考えられています。これにより、聴覚や平衡感覚に関わる部分に影響が及び、さまざまな症状が現れるとされます。
発作の引き金になる要因としては、以下のようなことが挙げられています。
* 気圧の変動や気象の変化
* ストレスや疲労
* 睡眠不足や生活リズムの乱れ
特に気象の変化に敏感な方は、台風や天気の崩れなどのタイミングで不調を感じやすいこともあるようです。
【参考：日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会・難病情報センター】

専門機関による対処法や考え方

耳鼻科や平衡感覚の研究に取り組む医療機関では、メニエール病に対する研究や啓発活動が進められています。現在のところ、完治を目指す治療ではなく、「症状の緩和と再発予防」が主な対処方針とされています。
具体的には、以下のような対策が知られています。
◎ 医療機関での対応（参考情報）
* めまい時の抗めまい薬の使用
* 内リンパ液の調整を目指した利尿薬の処方
* 精神的ストレスに対処するための安定薬や自律神経系のサポート薬
※詳細は耳鼻科など専門医への相談が推奨されています。
◎ 日常生活でのセルフケア
* 規則正しい睡眠と十分な休息
* 塩分を控えめにした食事習慣
* ストレスマネジメント（深呼吸やリラクゼーションなど）
* 気圧の変動が大きい日は無理を避けて早めの休息を心がける
【参考：日本めまい平衡医学会、日本耳鼻咽喉科学会】

補足：整体における補助的なアプローチ
めまいや耳鳴りは、自律神経のバランスや首肩まわりの筋肉の状態とも関連していると言われています。そのため、整体の現場では「姿勢や筋肉の緊張緩和」を通じて、不快感の軽減をサポートする方法が取り入れられています。
たとえば、以下のようなケアが行われることがあります：
* 首の後ろ（後頭下筋群）をやさしくゆるめる
* 耳まわりや顎まわりの筋膜・リンパへのアプローチ
* 背骨のバランス調整による自律神経のサポート
* 咀嚼筋（咬筋や側頭筋）のリリース
こうしたケアは、緊張しやすい首・肩まわりの筋肉を緩めることで、リラックスや血流改善にもつながると考えられています。
なお、強い発作や難聴などの症状がある場合は、まず耳鼻科などの医療機関での診察を優先し、整体はあくまで「補助的ケア」として取り入れるのが安心です。